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レインボーマジカルイースター~チッカストーン 井上ちひろ
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イラスト*Chihiro

『舞踏会』

そして、リリアは朝の四時に起きてリリアとキャロルを起こしました。
「ほら、早く朝食を食べてドレスにアイロンをかけましょ。コサージュの付け直しもしなくちゃ。」
「わかったわ。早く行きましょ。」
リリアの声を聞くとぱっちり目が覚めたキャロルが言いました。そして、朝食の方に行くとピョレマーイがメニューを見ているところでした。
「ピョレマーイ。今日のメニューは豪華?」
「うん、すごいよ。いま、シュガー漬けレモンピールを探してたとこなんだ。」
「あった?」
「あったよ。しかも今日は、お父さんがくれたときのよりずーーーっと高級なレモンピールを使ってるんだ。だって、かろやかレモンだもの。」
「それってなに?」
「かろやかレモンは周りの方は酸っぱいんだけど中の方に甘みが詰まってるんだ。ピールの方はシュガーをつけなくってもおいしいくらいだよ。ピールは、少しだけしか甘みが入ってないけど酸っぱさが薄いんだ。でも、育てるのがすごく難しいけど。」
「そりゃあ、実を酢にひたしてその中に角砂糖を少し入れてそれで一日たったら太陽にすごい当てたあつい土に埋めて酢と角砂糖を少し入れたものとクインシーの服と言われているスノー・ホワイトの実を溶かしたものを混ぜてさらにビッグと言う名前にふさわしいヤシの実を細かく刻んでまた混ぜる。それを、一時間ごとにかけるんだからたいへんでしょ。」
「リリア、説明しないでよ。僕が言おうとしたんだから。」
「良いじゃない、どうせ言うんだから。さ、食事にしましょ。チョコレート・ミルクと豚の丸焼きを少し。」
「あっ、私も豚の丸焼きが良いな。豚の丸焼き少しと魔女アップルジュース。」
「じゃあ、私はチョコレート・プディングとユータカ丸焼きどっちとも少しちょうだい。」
「じゃあ、私もう食べ終わったから杖を磨いてくるわね。」
「あ、待ってよ。私たちも行くから。」
そして、クレアとキャロルは残りのものを全部食べてリリアについていきました。
「ほら、ぱっぱとアイロンかけちゃいましょ。」
「わかったわ。」
そして、リリア達はアイロンをかけました。ピョレマーイが魔話で
「着替えて良いらしいよ。ドレスにね、僕はタキシードだけど。」
と言いました。
「ありがと、ピョレマーイ。クレア、キャロル。ドレスに着替えて良いらしいわよ。じゃあね、ピョレマーイ。」
そして、リリア達はドレスに着替えました。
「キャロル、クレア。私はミスター・シャンバルトが待ってるから行かなきゃ。じゃあね。」
「私たちは少し待ってるわ。」
そして、リリアは談話室に行きました。すると、アルートが待っていました。
「待ちましたか?ミスター・シャンバルト。」
「ううん。すてきなドレスだね、僕のはどうだい?」
「ええ、すてきですよ。シャンバルト家に代々伝わる、古くなっても新品同様になってしまうし成長につれて大きさも変わってくるシャンバルト家五代目の名がはいっているアマイ・タキシードを着ているんですから。それと、私思うんですけどアマイが作ったアマイ・タキシードってすごいグラファイトという色にぴったりな色ですね。私、はじめてみました。」
「なんで知っているんだい?」
「本で読んだんです。さあ、行きましょう。」
そして、リリアとアルートは大広間に行きました。アルートは大広間を見て目を丸くしました。大広間は、天上は花で飾られていて床はぴかぴかした氷になっていました。
「さあ、ミスター・シャンバルト。踊りましょう、音楽が流れていますよ。この曲は…ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番『皇帝』第3楽章より…ですね。これには、ワルツがちょうど良いです。」
そして、何分間か踊っているとクレアとキャロルが来ました。キャロルは、髪をシニョンにしていました。クレアがリリア達に近づいて言いました。
「リリア、ワルツを踊っているの?お姉さんがシニョンにするのに時間がかかっちゃってなかなかこれなかったのよ。」
そして、シャンバルトの方を見つめて言いました。
「ミスター・シャンバルトですね。リリアからお話は聞いていました、とてもきれいなタキシードですね。すてきですよ。」
「ああ、ありがとう。」
キャロルも言いました。
「踊るのは楽しいですか?私はまだ踊ったことがないのでよくわかりませんが楽しいんでしょうね。」
アルートは美女三人に囲まれて顔がすごく赤くなりました。でも、クレアとキャロルが踊り始めたので赤くなくなっていきました。
「ミスター・シャンバルト?」
「何だい?リラア君。」
「リラアじゃなくってリリアですわ。」
そして、リリアはおこってキャロルとクレアの方に行きました。クレアがリリアにききました。
「どうしたの?アルートと踊ってたんじゃないの?」
「私、自分の名前も覚えてない人とは踊れないわ。ミスター・シャンバルトったら私のことリラアですって。」
「えっそれはいやだわ。クレアは?」
「私もいやよ、お姉さん。クラアなんて呼ばれたくないもの。」
「ところで、ちょっと日の光に当たってこない?でも、ドレスじゃないのに着替えてからね。着替えるのは、お出掛け着にしましょう。」
「いいわ。」
そして、リリア達は寮に戻って着替えました。リリアは、着替えるのを決めるのに時間がかかりました。
「うーーん、どれにしようかしら。いっぱいあるのよね、うん。これでいいわ。」
そして、談話室に行くと先に着替えていたキャロルとクレアが待っていました。そして、ピョレマーイまでいました。
「リリア、いきましょ。」
「ええ、遅くなってごめんね。」
そして、校庭に行くと校庭まで変わっているようでびっくりしました。校庭は、妖精が飛んでいてお花をたくさん出していたし飼育小屋の動物たちは全部出ていました。シャリンもです。リリアが近づいて声をかけました。
「シャリン、ハロウ。」
「クウン。」
シャリンがうれしそうな声で鳴いてリリアに抱きつきました。ピョレマーイが言いました。
「あれ?前の時はなついてなかったんじゃないの?」
「後で、こっそりあってたのよ。この子の好物が温めたミルクだってミスター・ノショトオインは知らなかったの。私、この子に温めたミルクを偶然持っていったらがつがつ飲むの。だから、この子の好物がミルクってわかったの。でも、マーブル・チョコも好きよ。」
「マーブル・チョコって何だい?リリア。」
これは、リリアじゃなくてクレアが答えました。
「マーブル・チョコは、チョコレートだけどいろいろな色があるのよ。ここでは…ほら、何て言ったっけ。そう、ショクルの作った食べ物よ。」
「そう、それが好きなのよ。シャリンはね。でも、嫌いな食べ物もあるわ。」
「なんだい?」
「トウガラシよ、それとマグロとイトウ以外の魚も嫌いね。コーヒーも嫌いだしかろやかレモン以外のレモンも嫌いね。梅干しもだったわ。まあ、要するに魚とからいものと酸っぱいものとコーヒーが嫌いなわけ。それで、甘いものが好きなのよね。シャリン。」
そして、リリアはポケットからハンカチに包んでおいたシュガー漬けかろやかレモンピールを出してあげました。シャリンは、クウンとまた鳴いてすぐに食べて手を合わせました。そして、すぐに手を離しました。
「シャリン、ミスター・ノショットオインが来たからもうあげられないわ。ごめんね。」
「ガウ。」
シャリンは、分かったというような声を出しました。シルクが来て言いました。
「大丈夫だった?リリアたち。シャリンがかみつかなかったかい?」
「いえいえ、大丈夫ですよ。ミスター・ノショットオイン。」
「そうか、よかった。」
「ミスター・ノショットオイン。一緒に踊りませんか?」
「いや、いいよ。」
シルクのカフェオレ色の顔が赤くなりました。
「じゃあ、ほかに踊る人ちゃんと決まってるってことですね。」
「いや、それは決まってないけど…」
「じゃあ、一緒に踊っても良いじゃないですか。一緒に踊りましょうよ。ミスター・ノショットオイン。」
そして、一緒に舞踏会の大広間に戻る途中ポピー・レッド色の毛のアナン・カロットビラが来ました。そして、大広間の入り口でいろいろな男子と女子が来てキャロルとクレアとピョレマーイに申し込みましたがピョレマーイはアナン・カロットビラと踊ってからと言ってキャロルはクレアと踊ってから。クレアはキャロルと踊ってから。リリアはシルクと踊ってからと言いました。そして、踊っているときに
「まだ、終わんないのかしら。」
「早く、踊り終わってほしいわ。私、ピョレマーイ様と踊るのよ。」
「あら、私が先よ。」
「ぼく、キャロルちゃん、クレアちゃんと踊りたいな。でも、一等先にリリアちゃんと踊るけど。」
などの声が聞こえました。リリア達が踊っているときにはテンポの速い曲がきこえていました。
「ミスター・ノショットオイン。ちょっと休憩しましょ。」
「いいよ。」
「私たちも休憩するわ。ね、お姉さん。」
「ええ、いいわよ。」
「おや、僕たちも休憩しようかな。」
「いいわね、疲れたし休憩しましょうよ。ピョレマーイ。」
「わかった、アナン。」
そして、ピョレマーイとシルクがチーサグ酒を取りに行きました。アナンがクレア達に言いました。
「ねえ、あなた達とピョレマーイとペニーさんっていうかたは転校生なのよね。」
「そうよ、アナン。一学年で、もう転校なの。私とお姉さんは人間でしょ。ピョレマーイのお父さん、ピーカイスさんにかくまってもらってるのよ。イースターの時にピョレマーイ達に見つけられて私、クレアが先にこっちに来たの。」
「私、キャロルは昨日来たばかりよ。」
「そう、私とピョレマーイとペニーはそのままここにいたわ。それで、オルンとも友達になったわね。オルンは、ジョーと踊ってるはずよ。どこかしら。」
「おーい、三人とも何しゃべってるんだい?」
ピョレマーイが言いました。
「あら、ピョレマーイ。何でそんなにおそかったのよ。」
「ミスター・ノショットオインもよ。」
「いや、それがね…ひどい目にあって…」
「どうしたの?」
シルクが答えました。
「いや、ただチーサグ酒の一学年と五学年用のを取りに行って帰ってくるとき誰かがぶつかってきて落としちゃったんだよ。それで、下でちょうど転んでた二学年、ベントスラのマネール・アエカンシャの口に入っちゃったんだ。五学年と一学年のが、そしたら五学年のは強めだろ。だから、ばったり気絶しちゃって…それで僕たちがマネール・アエカンシャを医務室につれて行かなきゃならなかったんだ。それで、もう一回チーサグ酒を取りに行って帰ってきたから時間がかかっちゃったんだよ。もう、僕たちくたくたさ。」
「そうなの。すごいわ、それでマネールはどうなっちゃったの?」
「いや、それがね…なかなか目が覚めないようで。」
「どうするの?目が覚めなかったら。」
リリアが単純に言いました。
「ただ、サマーリファップのエキスを絞ってそれをにて誰かのラービーの毛を二本入れた目覚まし薬を飲ませればいいのよ。もうさめてるけど、まだ気分が悪くて医務室で寝てるわ。」
「へえ、そうなんだ。」
「そうよ。そうそう、ミスター・ノショットオイン?私、もうダンスは終わりにするわね。他の人をさがしてちょうだい。じゃあ、ピョレマーイ、クレア、キャロル、アナン。ダンス見てるわよ。」
そして、リリアは寮に行って競馬用の服を着ました。そして、エメラと校庭に行きました。キャロル達はダンスをしないで話をしていました。
「そうそう、クレア。」
「なあに?アナン。」
「あのね、噂なんだけどベントスラのメーンアー・オニムンデォがあなたとペンフレンドになってるって友達が言ってたんだけど本当かしら?」
「ええ、ほとんどほんとよ。」
「どういう意味?」
「あのね、ペンフレンドになってる人はいるけどメーンアー・オニムンデォじゃないわっていういみよ。」
「じゃあ、誰なのよ。」
「あのね、実はユマントワークのアーノル・バーサなのよ。あの人から、こちらに手紙を出してきたから返事をしてあげたの。そしたら、友達にならない?って手紙で言われてね。でも、相手がどんなひとかわからないじゃない?だから、本当にあうまで待ってくださいって書いたら休み時間にきてって言うのよ。でも、そのころちょうど私休み時間に宿題をやってしまおうと考えたところでだめだったの。まあ、そういうことでそれからまだ返事は来てないわ。」
そのとき、リリアが競馬用の格好のまんまでそこに割り込んできました。
「あら、ちゃんと手紙の返事来てるわよ。えーーっと。そうなんだ。じゃあ、きょうのぶとうかいでユマントワークのテーブルのすぐそばのサン・ジャ像の所に来てよ。待ってるからね。ほら、早く行きなさいよ。」
「えー、どうしよう。早く行かなきゃ。」
そして、クレアはショルク君にのってすごい急いでいきました。アナンが言いました。
「ねえ、リリア。大広間に来るなら、一回着替えてからにしなさいよ。」
「そうね、すぐ着替えてくるわ。」
リリアは、いどうじゅもんで寮に行きすぐ着替えてアナンの所にいどうじゅもんで行きました。
「で、どう?次は、メイズ色のドレスで来たんだけど。」
「いいわよ、きれいだわ。私も、ブラック・レッドのドレスはどう?お母さんが作ってくれたのよ。入学する前にね、ぶとうかいがあるから作っときましょう、って言ってた時はなにを作るのか分からなかったけど今分かったわ。私に何色が好きかって聞いたときブラック・レッドって言ったのを忘れちゃってた。いや、まったくさすがね…ヘウクス出身だから当たり前だけど。」
「とってもきれいなドレスよ。もう少しで昼食ね、おなかすいちゃったから早く食べたいわ。」
「ねえ、アナン。リリア。」
「何?」
二人が同時に言いました。
「クレアがきたわ。ほら、すんごいこいちゃいろの毛の人と一緒だけど…」
「あっ、あれアーノル・バーサよ。」
「何で知ってるの?」
「私と同じユマントワークだから。」
「ああ、そうだったわね。そうそう、メーンアー・オニムンデォのことなんだけど、メーンアー・オニムンデォって三学年でしょ。妹のサアリク・オニムンデォが一学年にいるのよ。」
「その、サアリク・オニムンデォもベントスラ?」
「ううん、サアリク・オニムンデォのほうはリリアレインボーなの。」
リリアが、時計を見て
「もうすぐ十一時だわ、そろそろ食事が出るはずよ。ほら。」
と言いました。言ったときにちょうどテーブルの上に食事が出てきたところでクレアもついたところでした。クレアとリリアはものすごいいきおいで注文し食べ始めました。
「鳥肉スープとマフィン五個!」
「リリアと同じ物とストロベリー・アップルプディング一切れ!」
アーノルがゆっくりと注文しました。
「さかさクッキーとチューリップチョコと鳥肉の足五本。」
キャロルがピョレマーイに言いました。
「ねえ、アナンとリリアが話してる間に言ったこと覚えてる?」
「うん、覚えてるよ。」
「校長先生に聞いてみましょうよ。」
「ああ、良いとも。」
そして、二人はすぐに夕食を終わらせると大広間から出ていきました。リリアは、キャロルに待ってと声をかけました。クレアも、一緒に行きたいといっていきました。
「私も行きたいわ、事情は校長室で聞くから。そうそう、ペニー知らない?」
ピョレマーイが考えてから言いました。
「うーん、ペニーなら僕が起きたときはいなかったからなあ。そのときは、さきに大広間に行ったのかと思ってたけど…。それに、寝るときも見なかったよ。」
「うーーん、じゃあもしかして図書室にいるのかしら。ペニー、宿題遅れてるって言ってたから。」
クレアも、考えてから言いました。
「そうかも、ちょっと校長室に行く前に図書室に行ってみましょうよ。」
「いいよ。」
「いいわよ。」
そして、図書室に行ってみるとマダム・ペンスコットが来てくれてよかったという目でリリア達を見ました。
「ちょっと、あなた達。この子の友達かしら?」
そして、リリアたちが近づくとそれはほんの山に隠されてみみだがやっと見える状態で寝ているペニーでした!リリア達はもちろんとってもびっくりしました。
「ぺ、ペニー!」
そして、けっこうのあいだとても静かでした。ペニーがゆっくり立ち上がりました。
「やあ、リリア。」
「ペニー!あなたいったい何してたのよ!」
「いや、ちょっとね。」
「もう、私たちより呪文を多くしゅうとくしようとしたんでしょ。もう、ちゃんと図書室じゃなく男子寮で寝なさい!」
リリアが怒鳴りました。見通心を使ったのです。
「ごめんよ、リリア。」
「まったく、ペニーったら愛想つかしたわ。もう知らない!」
「僕もだ、じゃあね。ペニー、十分油を渋られると良いよ。」
そして、ピョレマーイとクレアとリリアとキャロルはすたすたと図書室を去りました。ペニーの、泣き声をムシして…。
「まったく、ペニーったらバカみたい!図書室で寝るなんて聞いたこともないわ!」
校長室のドアを開けながらクレアとリリアとキャロルがまだピリピリしながらきびきびといいました。

~つづく~


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by atelier-claire | 2010-02-16 21:39 | lilia story*chihiro
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