前回までのちひろの小説は以前の
Claire's Diary をご覧くださいね。
以下は
「シャドウインストロベリー」のつづきになります。
『言葉木』
「読んでみて、リリア。」
「センジェル家のものにマレィクは追いつめられ今は反対の国にすんでいる。だが、その後も悪事を働いているようだ。」
「反対の国…なんだか聞いたことがあるわね。そう、思い出したわ。確かほとんどのことが反対の所よ…」
「まって。」
「どうしたの?ピョレマーイ。」
「お父さんから魔話に通信が来てる。どうしたんだい?お父さん。」
ピョレマーイの魔話からピーカイスの声が聞こえてきました。
「クレアの、お姉さんをそちらに送る。クレアは、双子で妹の方だそうだ。三時間以上先に生まれたのが今から送る子だ。優しく扱ってあげるんだぞ。」
「わかった。」
そして、クレアのとなりにクレアそっくりの少しクレアより背が高いクレアより髪が長いふたごのおねえさんのほうがあらわれました。クレアが
「お姉さん…まだ髪のばしてたの。」
と言いました。
「なんか?クレア。そちらこそ切っちゃって残念ねえ。」
そして、クレアに似た声で明るく挨拶をしました。
「こんにちは、みなさん。ピョレマーイのお父さんから聞いてます。よろしく、キャロル・レインです。」
「よろしく。」
「私はリリア。こちらは、サンル・アピトルよ。こちらこそよろしく。」
そして、キャロルはオルンを見つめて
「あなたは、誰か聞いていませんけど…よろしく。」
と言いました。
「私は、オルン・レイディです。」
「わかったわ。教えてくれてありがとう。」
そして、リリアが言いました。
「ところで、サンル。反対の国に行ってみない?」
「えっ、いけるけど…。」
「いけるけど?」
「三ヶ月ぐらいしないといけないのよ。」
「そうなの?」
「ええ、ごめんなさい。」
「また、魔話に通信が入ったよ。次は…カテルからだ。」
「みんな、みんな、帰っておいで、ヘウクスでは明日は舞踏会なんだから。わかったね、わかったね、私が反対の国に行く準備はしてあげよう。さあ、帰りたまえ帰りたまえ。」
「舞踏会?」
「そうだ、舞踏会。自分と踊るラービーをちゃんと見つけておくようにように。」
そしてしかたなくリリア達は帰りました。そして、三十分ほどみんなばらばらの所に行きまた帰ってきました。
「ねえ、リリアは踊るラービー決めた?」
「私はまだ決めてないけど…キャロルはもう決めたの?」
「ええ、もちろん。」
「だあれ?」
「クレアとよ。」
「そうなんだ、そうそう。ペニーにさっき誰と踊るのか聞いてきたらベントスラのホールパ・シャドンヤルとおどるっていったわ。」
「ピョレマーイは、ユマントワークのアナン・カロットビラらしいわ。」
そこで、クレアがやってきました。
「ねえ、お姉さん。リリア。ドレスはもう決めた?」
「ええ、私はパープルピンクのドレス。」
「私は、プリムローズ・イエローのドレスよ。」
「へえ、お姉さんはパープルってわかってたけどリリアの…って言うかプリムローズ・イエローって何色?」
「うすく、クリーム色ににてるほのやかな黄色よ。」
「そうなんだ。」
「そうそう、私オルン呼ばれてたのよね。だから、話が終わったらまた談話室に来るわ。」
そして、リリアはオルンの所に行きました。
「オルン、どうして私をよんだの?」
「あのね、私一緒に踊りたい人がいるの。でも、なかなか声をかけられなくって…。」
「そうか、その人は誰?」
「リリアレインボーの、ジョーエウ・メンハって言うの。」
「え、ジョーと踊りたいの?」
「あの人は、ジョーじゃないわ。ジョーエウよ。」
「わかった、待ってね。ジョーエウと踊るの手伝ってあげるわ。」
そして、リリアはピョレマーイを自分の魔話で呼びました。ピョレマーイがすぐにノアンに乗ってきました。
「何かようかい?リリア。」
「あのね、ジョーに校庭の言葉木の所にきてって言っといて。誰が、言ってたかは言わずに。」
「わかった、校庭の言葉木の所だね。何時ぐらいに行けばいいのかは言わなくて良いのかい?」
「それは、ちょっと待ってちょうだい。私が連絡するまで何にもジョーに言わないで。」
そして、リリアはオルンの所に言ってあいている時間を聞いてから魔話でピョレマーイに午後三時に言葉木に来るように伝えてと連絡しました。
「良い?今日の午後三時に言葉木の所に行くのよ。」
「ええ、わかったわ。何で、いきなり行くの?」
「まあ、行ったほうが良いってことよ。じゃあ、私は一緒に踊る相手を探してこないといけないから。」
そして、リリアは二年生のアルート・シャンバルトというこりゃまたハンサムなラービーにオルンの部屋から出ていきなり申し込まれました。リリアは、探していたところだったので
「ええ、良いですよ。ミスター・シャンバルト。」
とオーケーしました。リリアは、クレア達の所に戻りました。クレアがドレスを出しながら言いました。
「やっと戻ってきた。」
「クレア、ドレスを出して何してるの?」
「ドレスを、もっときれいにしてるのよ。肩の所にリボンをつけたり、コサージュをつけたり。それに、頭に着けるリボンも作らなくちゃいけないし。」
「キャロルも、そう?」
「ええ、そうよ。」
「じゃあ、私もしとこうかな。」
そして、しばらくやって二時五十分になりました。リリアが時計を見て
「あ、いけない。もうすぐ三時だわ。早く言葉木の所に行かないと。」
と言いました。キャロル達は
「何で?」
と言いました。リリアはとにかく行かなくちゃといってエメラに乗り行ってしまいました。
「お姉さん、私たちも行ってみましょうよ。言葉木の所に、ね。」
「行ってみても良いけど私早くはいけないからクレア一人で行って。」
「大丈夫、お姉さんもショルク君に乗ればいいわ。」
キャロルは、少し頭をひねって考え言いました。
「私もシャンちゃんをつれてきてるからこの子に乗るわ。このこも、ひよこだけどヘウクスに来てからおっきくなるようになったの。」
「じゃあ、行ってみましょ。私についてきて、お姉さん。」
「わかったわ。」
そして、二人は自分も驚くほどの早さで言葉木の方に行きました。でも、リリアが草陰から言葉木の方を見ているのでクレア達もそこに行きました。
「リリア、何でここいなきゃいけないの?」
「クレア、私オルンとジョーがくるのを待ってるの。」
「何でそこに隠れているんだね?」
と声がしました。リリア達が誰かいるのかときょろきょろ探していると言葉木のほうから声がしています
「でてくればいいのに。おいで、わしゃこのごろここに来てくれる人がいなくて話すことができんかったんじゃから。のう、きてくれんか…」
リリア達は木がしゃべっていることに気づきました。口はないけど目がついています。キャロルが優しい声で
「私たちの代わりにちゃんと違う方が来ますよ。」
と言いました。そして、リリアにこっそり
「来るんでしょ、だれか。」
と言いました。リリアはうなずきました。そのとき、オルンが来ました。言葉木は目を引っ込めました。
「ここで待ってればいいってリリアは言ってたけど。そしたら、どうなるのかしら。」
そのとき、ジョーも来ました。でも、オルンに気づかないでオルンの反対の方に行きました。言葉木が目をだして
「二人とも、なんかしゃべんないか。」
そしたらオルンもジョーも反対側の方に行こうとしてぶつかってしまいました。ジョーは、オルンをかわいいと思ったようです。目を細めほおを赤くしました。オルンが
「あの、あの…。舞踏会一緒に踊りません?」
と小さな声で言うとジョーは
「いいよ、いいとも。」
とでっかい声で言いました。そして、オルン達は手をつないで言ってしまいました。言葉木はしょんぼりして話す相手がいなくなっちゃったわいと言いました。リリアが
「私たちが話してあげるわよ。」
と言う言葉木は昔の話をしました。キャロルもリリアもクレアも草陰からでて言葉木のそばで話を聞きました。
「昔々のことじゃ、マレィク・カラトーカという者がおった。そのものは、悪のはずだったのに善になってしまった。その子は殺しをせずにいい子に育った。そして、代わりに善のはずだったジェンロ・センジェルというラービーが悪に変わった。そう、マレィクとジェンロは反対になったのだ。ジェンロは、悪事をたっぷりとした。マレィクは、それを止めようとした。だが、ジェンロは自分がした悪事を全部マレィクがしたと嘘を言った。マレィクは、魔警におわれロボットマダーの中に入り反対の国と言う所に逃げたんじゃ。これは、わしの知っている本当の話での。かわいそうな話だと思わんか。」
リリアとクレアとキャロルは真実を確実に知りました。クレアが
「ありがとう、確かに悲しかったわ。言葉木さん。」
とお礼を言いました。言葉木はリリア達が校内に入るときに後ろから大声で言いました。
「わしは、クサル・コトバライと言うんじゃ。覚えておいておくれ、それと明日も来てくれよう。」
リリアは、そっと後ろを見て言いました。
「クサルさんってかわいそうね。だって、話すこともできないであそこにいるんだから。」
「ねえ、今良いこと思いついたんだけど…」
「何?キャロル。」
「言葉木を、あのクサル・コトバライさんのとなりに植えてあげればいいのよ。」
「そうか、でも。言葉木って、なかなか手に入んないのよ。手に入れるのは難しいわ、それに育てるのもとっても難しいの。」
「そうか…」
「でも、カテルに聞いてみればわかるかも。」
「そうね、カテルはいろいろなことを知ってるし校長だものね。」
「君たち、私のことを呼んだかな?」
とカテルの声がしました。
そこで、キャロルは驚きましたがリリアとクレアは全く驚きませんでした。
「そうです、呼びました。」
とクレアとリリアは同時に言いました。
「言葉木は、クサルに聞いてみればくれるよくれるよ。じゃあ、じゃあ舞踏会でまたあおうあおう。」
リリア達は、クサルに聞くのは明日にして夕食に行こうと話して夕食に行きました。
「誰もいないわね。」
「私はいつもこのくらいの時に来てるから良いわ。クレア。うーーんと、魔女パンプキンジュースとアップルサラダを少し。後、ガーリックフランス。」
「わあ、でてきたわ。ここのヘウクスってこういう感じで食べ物食べるの?」
「そうよ、お姉さん。ストロベリー・マフィンとチョコレート・マフィンとパンプキンサラダ。それと、焼きポテトを何個か。」
「私は、どうしようかしら。魔女アップルジュースとフィッシュサラダにパンプキンパイがほしいな。」
そこに、ピョレマーイが来ました。
「ねえ、オルンとジョーが一緒に踊るって知ってたか?」
「ええ、もちろん知ってるわ。」
三人とも一緒に答えました。
「なぜだい?」
「だって、私がふたりを踊らせるように手を出したんですもの。」
「まさか、オルンかジョーが手を出してと言わないでやったのか?」
「ううん、オルンが手伝ってって言ったのよ。」
「なんだ、よかった。ココアとイエローライス。」
「イエローライスって何?」
「キャロルは、知らないか。魔法使いの食べ物で、酸っぱいんだ。酢と魔女レモンジュースを混ぜたやつにレモンピールと小麦粉に入れて作ってるんだから仕方ないけど。」
「おいしいの?」
「うん、すごくヘルシーでシュガーも少し混ぜてるから酸っぱい後から少し甘くなっておいしいよ。もう、ほっぺたが落ちそうなくらいなんだ、シュガー漬けレモンピールもおいしいけど。」
「ねえ、シュガー漬けレモンピールって何?」
今度はクレアも一緒にキャロルと質問しました。
「シュガー漬けレモンピールはもうすっごくおいしいんだよ。一回お父さんから食べさせてもらったことがあるけど最初はすごーく甘くって次から酸っぱいのが舌に感じるんだよ。でも、シュガー漬けレモンピールはお祭りとか特別なときしか食べられないんだ。でも、僕の大好物さ。」
「いいなあ、私も食べてみたいわ。」
「たぶん、明日の舞踏会のごちそうで出るよ。ああ、早く明日にならないかな。」
そして、ピョレマーイは残りのココアを一気に飲んでしまうとうれしそうな顔をして寮に帰っていきました。リリアが
「さ、私たちも寮に行きましょうか。早めに寝ましょ、ええもちろんキャロルも私たちと同じ場所よ。」
そして、三人はベットに入り寝ました。三人ともすてきな笑顔を見せながら。 ~つづく~
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